雪景色 綿向山

2018.2.23 晴れ

冬型が緩み,ポカポカ陽気の日,滋賀県南部(蒲生郡日野町北畑)の綿向山に登る.2月に同じ山に来ても,その時々,山の風景,状況は随分と変わる.周囲に雪はないのだが,登山口に入るとすぐに登山道は氷塊のアイスバーン.多くの人が踏み固めて行ってくれたのだ.さっそくアイゼン装着.
綿向き山の魅力は何だろう.表参道は,緩い傾斜のジグザグ登山道を延々と折り返し登る.7合目を過ぎると冬道に分かれ,突然,急傾斜の登りが始まる.その激しい登りが俄然登山意欲を高める.頂上は晴れていれば,正面に雨乞岳,鎌ヶ岳,遠く鈴鹿の峰々,伊吹山,近江平野,琵琶湖と大眺望が広がる.

3合目に到着したときの画面

iPhone 機内モード,UpGo! 開く.スタート → 常時測位・10分.
常時測位にしておくと,iPhone がスリープしても測位を続け,音声で時刻,標高,移動距離を読み上げる.インターネットが接続できなくても,GPS機能は健在.ただし,あらかじめ,この山域を画面に表示しておく.画面では,上図の赤いピンをタップすると,地図上に時刻,標高,移動距離が表示される.

3合目を越えて,幅の広い林道に出るとあざみ小舎がある.雪景色が美しくなってきた.なおもジグザグを繰り返す.

3合目でひとつ手前のピンをタップ. 青丸が現在位置.

測位の間隔を10分に選んだが,実際の測位は1分おきに実施.そのため,ジグザグの真ん中当たりにピンがあってもほぼコースをたどって移動距離が計測される.右下の相対高度は,iPhone の気圧計による測定値.スタートを押した時点からの高度変化を示す.

ジグザグの幅が大きくなる.4合目からは,割と早く5合目に到着.雪が深くなってきた.

5合目に到着

UpGo! Ver2.4から測位中でも撮影した写真が見られる.(注意深い人は写真の上部の時刻が夜になっているのに気がつかれたと思うが,これは当ウェブサイトのために画面コピーをとった時刻である)

5合目小屋の夢咲の鐘を一発カーンと鳴らす.

5合目にて

 

5合目でAR View

頂上はどの方向か?直線距離と高度差は?と知りたいときに利用.青いラベルで目的地が表示される.

 

測位中のData画面

標高はGPS計測値,高度差は気圧計計測値のため,標高の差と高度差は一致しない.

7合目を過ぎた所,冬道への分岐(下山時撮影)

地図上の撮影記録は,測位終了・データ保存後に見られる.カメラのアイコンをタップすると写真が表示される.撮影場所,時刻などがわかるので,あとで役立つ.

7合目を過ぎると冬道の急な登りとなる.右側の夏道は閉鎖されている.しかし,夏道にも一人分くらいの足跡が付いているが行かない方がよい.この冬道は雪の斜面が急すぎて,足をまっすぐにして登ると,ふくらはぎが痛い.そこでガニ股になったり,斜め足になったりして登る.先行者が付けたステップはありがたい.登り切って頂上かなと思ったらさらにその先に高みがあり・・,を何回か繰り返す.

頂上まであと少し,AR View で高度差を確かめる

絶景の頂上に到着.風もなくポカポカ.ここに来た人しか味わえない至福の時間.タイムカプセルの「青年の塔」の前に座ってお昼にする.

 

頂上から鎌ヶ岳をショット

御在所岳はどこだ? 雨乞いに隠れてるか.

 

雨乞岳

 

前半測位終了.Data画面

登りは意外と時間がかかった.足が弱ったのではなく,UpGo! で遊びながら来たから時間がかかったんだ(?).

 

前半サムネイル

Camera画面では,サムネイルが表示される.UpGo! Ver2.4から測位中でも表示できる.

 

後半測位開始 頂上にて

今回は,お昼休みにバッテリーを節約するため,前半データを保存し,改めて下山開始時に測位スタートする.
山頂の気圧は低い.狭い画面に余計なラベルだが,天気の変化を察知できるかもしれない.標高は大体あってるね.± は誤差だよ.人工衛星のおかげだね.

 

伊吹山を望む

 

冬道分岐点に達する.急坂終わり.

急坂を滑り落ちないように下る.もっとも,お尻にビニールを敷いて滑っている人もいるが.その冬道はこの地図には示されていない.赤ピンを結んだ線上にある.

 

後半測位終了.Data画面

バッテリーの消費結果.前半・後半全体とお昼休みを入れて 通算5時間(写真35枚撮影)で44%,つまり,約9% / 時 の消費となった.カイロと一緒に保管していたので長持ちしたわけだ.

下山はさっさとノンストップで来たので,割と早く降りられた.まだまだ,足は達者ジャ!

データの考察

登りと下りで同じコースを歩いたので,得られたデータを比較することが可能である.歩数とpedo距離(ウォーキング+ランニングの距離)はiPhone5S 以降の機種で付属のアプリ「ヘルスケア」で計測される数値である.プログラム上,CMPedometer というAPIを利用しているので,ここでは便宜上pedo距離と呼んでいる.

  • GPS移動距離: 下山で数値が約500m 小くなったのは,ジグザグ部分の移動が速く,正しく経路を測定できなかったと考えられる.計測間隔1分を短縮すればより正確になるが,計算コストが増大し,バッテリーの消耗が大きくなる可能性がある.
  • 歩数    : 登りは立ち停まる,写真を撮るなど余計な動作をしているので,300歩程度の差が出たのは正しいと言える.
  • pedo距離  : 登りと下りで1000m 以上の大きな差が出た.どのような原理で計測されているか不明であるが,水平歩行以外の余計な動作をすると値が大きくなるようだ.登山では誤差が出やすい.

次の関係が常に成り立っている.
GPS移動距離 < 真の移動距離 < pedo距離

今回のデータでは,
登りのGPS移動距離4451m < 真の移動距離 < 下りのpedo距離4878m
と見積もるのが正しいと言えそうだ.